医学書院の方々の提供で、現場で困っている身体拘束について
座談会を開催することになりました。
『「身体拘束最小化」を実現した松沢病院の方法をプロセスを全公開』を読んだ上で・・
医療法人社団全生会江戸川病院・看護部長の小貫さん、病棟主任の大沢さん、当院である医療法人社団協友会笛吹中央病院・認知症看護認定看護師の安藤さん、私雨宮、アドバイザーに医療法人生生会松蔭病院・精神化認定看護師貝田さん、進行役に医学書院の石川さんの参加をもって、座談会が開催されました。
身体拘束最小化をしていきたいが、どうしてもできない部分を話し合い、アドバイスをいただくことができました。
私からの困っている状況の提案をさせていただきました。
急性期でも慢性期でも治療が必要な点滴管理患者やチューブ留置患者等、抜去されてしまうケースがたくさんあります。見えないように病衣の中に入れ込んだり、固定方法を工夫したり行っています。身体拘束をしないとなれば、看護師1人がその患者さんにずっと付き添っていなければなりません。また、患者さんが抜針してしまった、転倒してしまったなど、そこにあった看護師の疲弊を聞くと、何とかしてあげたい。その場合は身体拘束もやむなしと思ってしまう。
医療安全や職員ができることの限界を考えると、どう考えていけばいいのかわからなくなってしまう。
貝田さんからのアドバイス
1人が見守り、もう1人が業務遂行する。その2人に「あなたたちはこういう大事なことをしているんだよ」と伝えてあげる。そして業務をしているスタッフには「相手の分まで補ってもらってありがとうね」と言うかもしれない。自分たちの価値観をどう変えていくかが問われていると思うと話された。
松沢病院の同意書は、身体拘束を了承するものではなく、「身体拘束はしません。そのために歩行中の転倒、ベッドや椅子からの転落による骨折事故が起きる可能性。病院としても可能な限り事故防止策を講じ、職員も注意を払っております。こうしたリスクについて、あらかじめ承知していただきたくお願い申し上げます」となっているようです。
編集部から、転んでも責任を取りませんよではなく、自分たちが大事にしていること、だから私たちはこういう看護をしますと家族と話し合うためのツールにしているそうです。
「身体拘束をしない」同意書を作り、家族とスタッフの心配を軽くすることができるのでは・・
なるほど、こういう同意書があると、もう少しスタッフが心配せずに安心の中で働けるかもと感じた。
今後「身体拘束最小化」に向けて取り組んでいきたい。
今回このような機会を作っていただいた、医学書院の石川様・日高様に感謝申し上げます。
この座談会の内容が、「医学界新聞(看護師版)第3418号」「精神看護 5月号」に掲載されました。




興味がある方は是非お読みくださいませ。
またWeb版も更新されています。
https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2021/3418_02